「イーゼンハィム祭壇画」の、
第2面
その右側に
今回の絵があります。
日曜日しか公開しないものです。
キリストが見せた最後の軌跡
「キリストの復活」です。
その内容はこうです。
十字架に磔られ、
亡くなったキリストが
復活し、
弟子たちに世界中に福音を伝える伝道師になり、
洗礼を授けなさいと使命を与え、
40日後に、
オリーブ山から昇天していきます。
普通
「キリストの復活」を描くなら
キリストが中心にいて、
両脇に弟子たちがいて、
キリストが
使命を与えている感じで、
せいぜい、
キリストの頭に
後光が差す
という表現です。
でも、
グリューネヴァルトは
「復活」した瞬間を
描きましたね。
下方の墓のまわりの
兵士たちは、
崩れるように
眠っています。
その姿に
重量感を現し、
それと対比して
空中に浮いている
キリストは
とても神秘的です。
さらに、
「キリストの磔刑」では
恐ろしいほどの
裂傷がありましたが、
それが全て消えていて、
手と足についた
杭のあとだけ残っています。
そして、
グリューネヴァルトの
最も凄いとこが、
キリストの
キラキラ輝く
オレンジと黄色の
光でしょう。
あまりにも
光が強すぎて
キリストの顔が
とけこんでいます。
この当時としては、
いや、
この後の絵画を見ても
こんな表現は見られません
神々しいキリストを見た
病院の患者たちは、
病気や罪から清められるであろう
と信じたことでしょう。
グリューネヴァルト鑑賞作品一覧