
「目覚めた人」「悟った人」
「真理を体得した者」です。
ちなみに
「仏」は、仏陀の略語で、
「如来」は、
「真如(真理)から来た者、真理から生まれたもの」
という意味で、これもブッダのことです。
つまり、ブッダ=釈迦ではないんです。
ブッダは、他に何人もいます。
実在した人もいます。
ジャイナ教の開祖
ニガンダ・ナータプッタ( निगण्ढ नात)
(紀元前549~477)
もブッダと呼ばれていました。
大乗仏教では、
覚りを得た、さまざまな仏(如来)
がいます。
中国の唐代(8世紀頃)の僧
智昇が書いた『集諸経礼懴儀』
には、ブッダ(仏)は
十方十仏・過去七仏・五十三仏・
賢劫千仏・三十五仏・十方無量一切仏など
あらゆるブッダ(仏・如来)がいます。
さすがに、これ全部のブッダ(仏)はわかりませんが
わかる範囲でブッダ(仏)を紹介します。
三劫三千仏
まずは、時間軸のお話です。
仏教では、過去・現在・未来の三劫に渡って
それぞれ1000人ずつのブッダ(仏)が現れると説かれています。
劫とは時間の長さをあらわす単位です。
つまり
過去荘厳劫に1000人の仏、
現在賢劫にも1000人の仏、
未来星宿劫も1000人の仏
あわせて3000人の仏がいます。
しかも3000の仏、それぞれ名前があります。
たとえば
過去荘厳劫には
最初が華光仏という仏で
最後が毘舎浮仏と名前が決まっているのです
この過去・現在・未来の三劫は、
「三劫三千仏」といいます。

南北朝時代頃
<出典:龍谷大学>
過去七仏
大乗仏教では、
釈迦仏がこの世に現れる前に、
六人のブッダ(仏)が現れ、
それぞれ教えを説かれたことになっています。
これを「過去七仏」と言います。
「過去七仏」は、
『阿含経』の中の1つ『長阿含経』で見ることができますし、
単独の経典としては『七仏経』があります。

「過去七仏」は以下です。
『阿含経』には、過去6仏の時代には、
人の寿命は、かなり長く書かれています。
-
人の寿命が8万4千歳の時 -
人の寿命が7万歳の時 -
人の寿命が6万歳の時 -
人の寿命が4万歳(5万歳とも)の時 -
人の寿命が4万歳(3万歳とも)の時 -
人の寿命が2万歳の時
この「過去七仏」も、
先程の「三劫三千仏」に入ります。
「過去七仏」の前の三仏は
過去荘厳劫の1000仏のうち最後の三仏、
「過去七仏」の後の四仏は
現在賢劫の1000仏のうち最初の四仏です。
未来星宿劫には、
釈迦牟尼仏の次のブッダ(仏)まで決まっています。
釈迦が入滅してから56億70000万年後に現れる
弥勒(マイトレーヤ)、
そう弥勒菩薩です。
「過去七仏」は、
同じ教えを説いていたそうです。
それは、『法句経』の「七仏通誡偈」や
道元の「正法眼蔵」で「諸悪莫作」の巻などに記されています。
諸悪莫作 もろもろの悪いことをせずに
衆善奉行 善いことをおこない
自浄其意 自分の心を浄めること
是諸仏教 これが仏たちの教えであるfa-quote-right
「七仏通誡偈」
十方諸仏
次は空間軸のお話です。
仏教では、十方に無数の世界と無数の浄土があると考えています。
十方とは東・西・南・北の四方と、
乾(いぬい。北西)、坤(ひつじさる。南西)、
艮(うしとら。北東)、巽(たつみ。南東)の
四維
そして上・下の2つを加えた
合計10の方角です。
西方には、
阿弥陀仏がいて“極楽浄土”があり、
東方には、
薬師如来がいて“浄瑠璃世界”があるといわれてます。
そして、宇宙の中心には
”蓮華蔵世界”と呼ばれ
太陽を象徴した仏である
毘盧舎那仏の浄土があります。
つまりこの宇宙には無数の仏が充満しているという説です。
三身
『十地経論』に「一切の仏に三種の仏あり。一に応身仏、二に報身仏、三に法身仏なり」という三身説があります。
つまり、仏には3つ種類があります。
1つ目は
法身仏
永遠の過去から、永遠の未来にかけて仏でありつづける仏=無始無終の仏。
いわば、宇宙の「真理・真如」そのものとした仏です。
毘盧舎那仏と大日如来がこれにあたります。
毘盧舎那仏は
1000枚の蓮の花(蓮華台座)に坐っています。
ある一説によれば・・・
毘盧舎那仏の坐っている蓮の葉
その一枚一枚の葉に、
阿弥陀仏の“極楽浄土”や、
薬師如来の“浄瑠璃世界”など仏国土があり。
さらに、その仏国土にはそれぞれ百億の国があり、その一国ごとに釈迦如来が現れるのです。
毘盧舎那仏は、宇宙そのものなので
“沈黙の仏”といわれ、
釈迦如来はその化仏(衆生教化のために仏が神通力で変身した姿)で現れます。
そして釈迦如来の口を借りて衆生に教えを説いているのです。
『華厳経』では毘盧舎那仏の毛穴1つ1つから無数の釈迦如来が現れたりします。
毘盧舎那仏は、宇宙の全体を包括し、その蓮華台の葉は、10兆の世界を照らしているのです。
大日如来は、
真理の世界から直に教えを説く仏です。
しかし、その教えは「秘密の教え」なので私たち衆生には聞こえません。
2つ目は
報身仏
修行の結果、仏となり、そして永遠に仏でありつづける仏=有始無終の仏。
修行の報い(結果)として永遠の仏身を獲得した仏です。
“阿弥陀仏”と“薬師如来”がそうです。
“薬師如来”は、
修行中に十二の願をたてました。
そのうち、第六願は「五体満足でない者や、精神病などで苦しんでいる者があるかぎり、仏にはならない」といい、第七願は「病気中に助けがなく、食物も薬のない者がいるかぎり、仏にならない」といい修行をして仏になりました。
そして、これらの願いがはたされたのが、
“浄瑠璃世界”です。
“浄瑠璃世界”には、
病いの人は一人もいない世界なのです。
薬師如来の左手には薬壺を持っています。
“阿弥陀仏”も、
四十八の願をたてて、長く厳しい修行をして仏になり、“極楽浄土”をつくりました。
三つ目は
応身仏
成道という初めと、入滅という終わりを持った仏=有始有終の仏。
この世に現れて悟りを開き、
教えを直接聞けない「法身仏」や、
地上にいない「報身仏」の代わりに
衆生仏に応じた姿を変え、教えを説く仏です
釈迦如来がこれにあたります。
まだいる!ブッダ(仏・如来)
fa-user燃燈仏
過去世において釈迦に,やがて悟りを開いて仏になることを預言した仏。
fa-user多宝仏
『法華経』宝塔品に現れる仏で。菩薩の位にあったときの誓願は,法華の説法のあるところには宝塔を湧き起らせて,その説法が真実であることを証明しようということであった。
彼は,釈尊の説法が真実であることを,宝塔を湧出させて証明したと説かれている。
【誓願】 菩薩が修行の目的を定め、
一切の生物の苦しみを救おうとの願望達成を誓うこと。
【湧出】 気体が地中から湧き出る
fa-user世自在王仏
阿弥陀如来が法蔵菩薩のときに四十八の願をたてて誓った師仏
五智如来(金剛界五仏)
大日如来
fa-user 阿閦如来 fa-user 宝生如来
fa-user 観自在王如来 fa-user 不空成就如来
胎蔵界五仏
大日如来
fa-user 宝幢如来 fa-user 開敷華王如来
fa-user 無量寿如来 fa-user 天鼓雷音如来