なんせ、
モノクロでしょ~う
その上、
撮り方が決まっていて、
そのパターンが
眠気を誘うの。
そして、
長ったらしいセリフ!
その繰り返し、、、、
もちろん内容は
知っていますよ。
聖書と絵画で学んだもので、、、
だから、
聖書を扱った映画ならば、
こうスペクタクル
(視覚的に強い印象を与えるような大掛かりなもの)
的な映画というイメージ
があったので、、、
まさかモノクロで
セットもなく
オープンロケ!
どうも解らない。。
登場人物も、
これ、どうなの?
東方三博士は、
超~個性的な顔をしているし、
洗礼者ヨハネなんて、
頭頂部はハゲていて髭も生えている。
そして、
キリストなんか
眉毛が繋がっている。
これが、
パゾリーニ監督にそっくりなの~
その原因は
眠気をちょくちょく邪魔する
“説教の台詞”なんです。
洗礼者ヨハネにしても、
イエス・キリストにしても
説教をしているシーンは、
声を荒げて、
怒鳴りながら訴えている。
とても
教会で聞く説教とは
あきらかに違います。
ん、やっぱり違うな~、
この映画。
これは、
説教というよりは、
革命家の演説に見える。
つまり、
イエス・キリストは
聖者ではなく
この時代の
革命家なんですね。
洗礼者ヨハネも革命家。
この映画が作られた時代、
つまり1960年代は
キューバ革命もあったし
アメリカでは
黒人問題で
キング牧師が活躍していた。
革命家、思想家が、
英雄になっていた。
それを、
キリストの時代で
表現したんですね。
でも、題材が
聖書なので内容は忠実です。
『新約聖書』の
「マタイによる福音書」に沿って
しっかり脚本されています。
それなので、
この映画は
国際カトリック映画事務局賞を受賞しました。
この映画を見終わった後、
知ったんですが。
パゾリーニ監督は、
マルクス主義者で無神論者だった。
パゾリーニ自身もこう言っています。
私はキリスト教信者ではない。
だからこの映画の
語り手も私ではなく、
キリストの教えを
伝えようとする信者なのだ。
私はその信者の心に入って
間接的にキリストの物語を描いたのだ
本人も言っているように
キリストを描いているわけではない。
やはり革命を描いています。
そのモデルは
マルクス主義者であるから
たぶん、
ロシア革命のレーニンでしょう。
そして、表現として画力の強い
旧ソビエト映画をもとに
自国のネオレアリズモを掛け合わせた。
それなら、解る。
あの、顔、顔、顔
動き出すとドン引きも
下層プロレタリアを映し出している。
プロレタリアには
2つの意味があります。
1つは、
古代ローマの最下層の市民。
もう1つは、
資本主義社会において、
生産手段を持たず、
自分の労働力を資本家に売って
生活する賃金労働者。
そして、
労働者の要求などの
主題が
ネオレアリズモそのもの。
例えば、
顔、顔、顔を撮っていて
あの人撮っていないな~と
カメラが気がつき
慌ててその人に
カメラを戻すとこなんて
ドキュメンタリー風になって生っぽい。
ハエもいっぱい飛んでいるしね。
それで、
モノクロで撮っている意味も解る。
カラーになるわけがない。
(シラケるから)
また、
この映画の写真だと
キリストが十字架を
担いでいる写真が多いが
映画の中では、
キリストは担がない。
なんせ、
革命家なんだから
担ぐわけがない。
しかも、
水までもらって飲んでいた。
かなり、
価値のある映画です。
パゾリーニはこの映画で
もう1つ賞を貰っています。
ヴィネチア国際映画祭審査員特別賞です。
そして、
世界的に有名な監督になりましたね。
でも、私個人として、
もう一回見るかと言うと。。。
予言者の言葉通り、
ヘロデ王の代に
べツレヘムの大工ヨゼフ
の婚約者マリアは、
聖霊によって懐妊し、
生まれた子は
イエスと名づけられた。
迫害を逃れるため行っていた
エジプトからイスラエルにもどり、
ガラリヤで成人した
イエス(E・イラソキ)は、
ヨハネのもとで洗礼を受けた。
その時天から声かひびきわたり、
イエスが神の子であることを告げた。
彼はただひとり、
荒野で四十日間の断食、
さらに悪魔と対決し、
《映画.COM》より
Data
1964年 | イタリア |
監督・脚本 | ピエル・パオロ・パゾリーニ |
出演 | エンリケ・イラソキ スザンナ・パゾリーニ |
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