マノエル・ド・オリヴェイラ監督の
映画「カニバイシュ」
カニバイシュとは何でしょう?
この映画の原題は
ポルトガル語で「Os Canibais」
訳して「人食い人種」です。
つまり
カニバリズム映画なんですね。
カニバリズム映画で思い出すのは
「食人族」(1980年)でしょう、
「地獄の謝肉祭」(1980年)、
「豚小屋」 (1968年)って
イタリア映画ばっかじゃねぇか!
(他にもあるよ⇒カニバリズム映画)
そんな残酷な「人食い人種」映画を
あの御年80歳の
マノエル・ド・オリヴェイラ監督が
撮るんですよ。
いったい、
どんな映画になっているのか
前々から気になっていたんです。
それが、
やっと見ることが出来ました。
そ・し・た・ら・・・
台詞による会話などいっさいナシ
全部歌いまくる
オペラ映画じゃねーか
いや~、
まいった~
ウルバノ・ソラル邸で
ウルバノ・ソラルの娘マルガリーダと
子爵の結婚式の晩餐会が行われました。
しかし、なぜか不気味なんです。
まず、結婚に気が乗らない子爵
演じるのはオリヴェイラ作品のレギュラー
ルイス・ミゲル・シントラ
そして
子爵にぞっこんのマルガリーダ
演じるのは今回初めての映画出演で
これ以後、レギュラーになる
レオノール・シルヴェイラ
さらに
マルガリーダに惚れて
物凄いヤキモチをおこし
2人を殺害しようとする
ドン・ジョアン役には
ディオゴ・ドリア
彼もレギュラーです。
さらに、さらに
映画の中の人々には見えない
語り手
と
ヴァイオリニストの
ニコロ・パガニーニが登場
『24の奇想曲 第24番』を弾きながら
会場を移動するシーンは印象的でしたね。
語り手とニコロ・パガニーニ
この2人が現れると物語は
徐々に異常な展開になっていくのです。
それにしても
約1時間は、
ず~と恋とか謎の駆け引きを
オペラで見せているので
すんごく眠たくて眠たくてたまりません。
もちろんオペラが好きな人には
たまらないんだろうけど…
でも自分は、
オペラ知らないし、
カニバリズム映画だと思って
見始めたので。。。
何度(´;ω;`)ウゥゥ寝落ちしたか。。。
さあ、物語は
晩餐会が終わり
子爵とマルガリーダは寝室へ
そこに
2人を殺害しようと寝室の窓の下に隠れる
ドン・ジョアン
ここから
異様な展開に
とうとう子爵の謎がわかるのです。
ポロ
義足と義手がはずれて
顕わな姿に
驚いたマルガリーダは
錯乱して2階のベランダから身を投げてしまい。。
そのマルガリーダの行動に
ショックを受けた
子爵は暖炉の炎に身を投げ入れます。
驚いて寝室に入るドン・ジョアン
彼が見たのは
炎の中で悲しむ子爵
歌っている姿が不気味です。
そして、夜が明けて
次なる登場人物
マルガリーダの父と兄たち2人が登場
早速、
マルガリーダのいた寝室に行き
暖炉にあった肉の丸焼きを三人で食べます。
無論、この肉は子爵の肉です。
でた~、カニバイシュ
もう、夢中に食べています。
そこに銃声が
父と兄2人が向かってみると
牧師と召使たちがいて
何か隠しています。
父と兄2人は押し切って
見てみると
マルガリーダの遺体と
銃で死のうとしたドン・ジョアンが。。
ドン・ジョアンは死ぬ間際に
その目で見た事実を証言します。
父と兄2人は今後のことを話し合います。
そしたら
弁護士である兄の1人が
子爵の財産を手に入れようと言い出すのです。
そ
・
し
・
て、、
・・(◎_◎;)・・・
弁護士である兄が
豚に変身
父ともう一人の兄は
変なポーズをとり
犬に変身
2匹の犬は豚に襲い掛かります
食べられる豚
その光景を見ていた召使たちは
急に牙むき出しになり
豚に襲い掛かります。
そして、神父まで。
なんなの~、
この展開。
そこに
ヴァイオリニストの
ニコロ・パガニーニが現れ
『24の奇想曲 第24番』を演奏
すると突然BOON
残ったバイオリン
「イル・カンノーネ(大砲)」
を豚がひろって
続きを弾きます。
そしたら・・
犬も召使も、牧師も死人も
輪になって踊り出すのです。
映画はここで幕が下ります。
マノエル・ド・オリヴェイラ監督
初のオペラ映画。
きっかけは
オリヴェイラ作品で音楽をしている
ジョアン・パエスが
フィルム・オペラを撮らないかと
持ちかけたそうです。
そこで
オリヴェイラ監督は
作家
アルヴァロ・ド・カルヴァリャルの
小咄『カニバイシュ』を
オペラ映画にしたそうです。
そして、
話を盛り上げるために
語り手とニコロ・パガニーニが登場
この演出は最高でしたね。
ニコロ・パガニーニは
超絶技巧のヴァイオリニスト
パガニーニの演奏技術は、
悪魔に魂を売り渡した代償として
手に入れたものだ
と言われるほどです。
だから悪魔的存在として
登場しているんですね。
また、
映画で奏でる
『24の奇想曲 第24番』は
ヴァイオリンの重音奏法や、
ピッツィカートなど
ヴァイオリンの技巧が
ふんだんに盛り込まれた
難易度の高い作品なんです。
ニコロ・パガニーニも
幼少のころから病弱で
薬などで体が侵されて亡くなりますから
そこが子爵とかぶるし、
ラストの
ニコロ・パガニーニがいなくなって
バイオリン「イル・カンノーネ(大砲)」
が残るとこも
いいですね~。
「イル・カンノーネ」は
ヴァイオリンの名器である
グァルネリウスで
大砲のような抜けるような音がするので
当時強烈な武器だったカノン砲にあてて
「カンノーネ(イタリア語でカノン砲の意)」
としたもの
あまりにも素晴らしい響きで
パガニーニ自身
今後
このヴァイオリンを
他人には使用させない
と誓うほどです。
皮肉にも豚さんが弾いちゃったけど
そこが、またいいんでしょう。
そりゃ、死人も甦って踊るわ。
Data
1988年 | ポルトガル |
監督: | マノエル・ド・オリヴェイラ |
音楽: | ジョアン・パエス |
出演: | ルイス・ミゲル・シントラ レオノール・シルヴェイラ ディオゴ・ドリア |
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