「イーゼンハィム祭壇画」の、
第2面
その左側に
今回の絵があります。
日曜日しか公開しないものです。
『新約聖書』の幕開けである
「受胎告知」。
イエス・キリスト誕生を
告げる運命的なシーンですね。
「ルカ福音書」によれば、
ナザレに住む
処女マリアのもとに
天使ガブリエルが現れて、
処女マリアが
聖霊による
神の子をみごもった
ことを告げました。その、
ガブリエルの
言葉を聞いたマリアは、
その意味がわからず
考え込んでしまいました。
すると、
天使ガブリエルはガブリエル恐れることはない。
その子をイエスと名づけなさい
と告げたのです。
「受胎告知」を主題とする絵画は、
多くの画家が描いています。
やはり有名なのが
レオナルド・ダ・ヴィンチの絵でしょう。
個人的には、
フラ・アンジェリコの絵が好きです。
また、
エル・グレコも描いていますね。
絵画の登場人物はもちろん
天使ガブリエルと処女マリアです。
そこに、
聖霊を現す象徴として
鳩が描かれています。
そして、
マリアが読書をしていたという
言い伝えに基づいて
書物が置かれています。
開かれているページの内容は、
「見よ、乙女が身籠って男の子を産む」
という
「イザヤ書」にある
預言のページだそうです。
ん?
上に、
書物を開いて見せている
オジサンは、
その
預言者イザヤ
なのかな?
天使ガブリエルの
右手の2本の指は
祝福を意味する
ポースですね。
レオナルド・ダ・ヴィンチの
絵でもありました。
処女マリアは、
デッサン(下絵)では
手はお祈りのポーズで、
天使ガブリエルを
直視できない感じですが、
この絵では、
曖昧な手合わせで
疑心な眼差しで
天使ガブリエルを見ています。
天使ガブリエルも
天使らしからぬ感じで、
目も威圧的。
不思議に
2人の目線が合っているから
なんか不気味です。
でも、
天使ガブリエルが
宙に浮いている表現は
この時代では、
画期的!素晴らしい!
鳩が透けているのも
素晴らしいですね!
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