私ねー、この映画
だいぶ抵抗があったのね。
だって、
今まで天皇を主役にした
映画なんてあり得ない
と思っていたの
こんなことして!
本当に大丈夫なの
私も昭和天皇の時代に
生きてたし、
実際、
拝顔の栄に俗する
こともありました。
だから、私にとって
昭和天皇は、
触れてはいけない
特別な存在なのです。
多分、
日本映画では、
描かない題材を
ソクーロフ監督は
あえて映画にしましたねー。
本当に、
こんなことしていいの
でも・・・
前々から気になっていたし
映画「日本のいちばん長い日」を
見た以上
今!見るしかない!!
で、
早速見ました。
いや~
率直に凄く良かった♪
イッセー尾形の演技は
最高
昭和天皇ソックリ
天皇の口癖として有名な
「あ、そう」を連発するし
また、
パクパク動かす口の動きが見事です。
皇居は、攻撃されていないのね。
その上、皇太子や、皇后さまは
他の国にいる。
だから、静かなんです。
天皇の周りは、
天皇を神として扱う者ばかり
あるシーンでは、侍従長が
「陛下は天照大御神の天孫であり、
人間であるとは存じませぬ」
と言います
天皇は、その言葉に対して
「私が神である証拠はどこにも何もない。
この皮膚も他の人と同じではないか」
と言うんですが。
侍従長は、黙って天皇を見つめるのです。
また、あるシーンでは
天皇は
「誰も私のことを愛してくれていない。
皇后と皇太子以外は。」
とつぶやきます。
それを聞いた侍従長は
「そんなことはございません。
皇室の方々、それに国民も愛していますとも。」
と答えるが
天皇には
何の気休めになりません。
話す相手がいない天皇は
1人で、
戦争で国民が苦しむのを
痛みます。
天皇が見る夢の中の
空襲のシーン!!
天皇は戦争を知らないので
これが幻想的でいい~んですよ
また、戦争が終わり
廃墟になった東京!
食い物がなく
奪い合っている人とかを
撮っているんだけど
醜くないの、
逆に
これが、何故か美しい
どう言えばいいか、
水墨山水のように幻想的なんです。
多分、
ソクローフ監督の
日本(東洋)のイメージが
そうなんでしょうねー
これが、
日本人監督が
撮ったらリアルを追求して
醜くなりますねー。
歴史では、
マカッサーと天皇の
会話は、公表されていません。
映画は、
そこをドラマにしましたねー
アメリカ人は天皇を
神としてでなく
1人の人間として会話します。
そして
会話をしているうちに
天皇は、
自我が目覚めてきます
また
人間としての自由すら
感じてきます。
皇居に戻った天皇は、
侍従の気遣いにいらだちを
隠そうとしなかったのね。
実に人間らしい、、
見事な表現
イッセー尾形らしい演技
素晴らしい
日本に帰国した皇后に
「私は成し遂げたんだ。
これで私たちは自由になれる。」
「私は神であることの運命を拒絶した。」
と言いました。
ここで、
天皇自身も、誰にも振り回されず
自分の意思で自由に行動した。
人間らしい生き方を得た
喜びが描かれてましたね。
この後、
1945年8月15日の「玉音放送」
1946年1月の「人間宣言」
そして
象徴天皇として
日本中を大した警備もつけずに
国民の中に入って、
敗戦の中で必死に生きる国民を
励ましのご巡幸された行動
全てが
アメリカ人の指図だけではなく
天皇ご自身の意思でらっしゃれたことが
この映画と繋がれてますね。
実は、
この映画を見る前に
NHKスペシャル
「ニッポンの肖像 -日本人と象徴天皇-」
を見ていたので
まあ、
私自身の独断と偏見かもしれませんが
この映画をみて
そんな気がしました。
映画のタイトル「太陽」は
昭和天皇が太陽神・天照大神の子孫で
あることだけでなく、
新しい日本の日の出を意味してます。
映画のエンディングがそれですね。
あなたは、昭和天皇を
どう思いますか?
子供のころは、
恐いイメージでした。
明治天皇の写真や
昭和天皇の写真
(たしか軍服を着ていたかな)
は学校に飾ってあって
恐かった~。
それに
拝顔の栄に俗したときは
えらい緊張したし
さらに
子供のころは
あんまり昭和天皇を
周りの人は
いいふうには言ってませんでした。
「敗戦の原因は天皇にあり」
なんて、言われてました。
どうでしょう?
私はね
NHKスペシャル「ニッポンの肖像」と
この映画で
昭和天皇にたいする気持ちは
だいぶ変わりましたね。
やはり
天皇のお考えは
国民と違い慈悲深く
素晴らしい人なんだと思いました。
さて
今の天皇は
どう思いますか?
私はね
現在の「平成天皇」は
ものすごく尊敬していて
やはり、神なんでしょうね。
ブッダやキリストみたいな
教えはありませんが
「平成天皇」の日々のお勤めが
私にとって
体現されていると思うんです。
本当に、大変なのに
毎日笑顔で凄いと思います。
昔、中国では
三国志の関羽なんか
生きているときから
神として崇められてましたが
私も
そういう意味では
「平成天皇」は神なんです。
そう
現人神(あらひとがみ)なんですね。
1945年の日本。
第二次世界大戦の終戦直前。
宮城地下に設けられた防空壕で、
疎開した皇后や継宮はじめ親王たちと離れ、
天皇は孤独に過ごしていた。
ラジオからは日増しに激化する
沖縄戦の様子が流れ、重苦しさが増す。
御前会議では
閣僚たちの終戦と
戦争続行の意見の間で苦悩し、
研究所では
生物学の研究をしながらも
国民が受けた屈辱を反芻する。
眠りに着けば
東京大空襲の悪夢がよみがえる。
そして遂に戦争は敗戦となり、、、
Data
2005年 | ロシア・イタリア・ スイス |
監督 | アレクサンドル・ソクーロフ |
出演 | イッセー尾形 ロバート・ドーソン 佐野史郎 |
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