みなさんは、
「気韻生動」という言葉を知っていますか?
私が、この「気韻生動」を知ったのは
あの横山大観先生の言葉からです。
大観先生の言葉では
画論に気韻生動ということがあります。
気韻は人品の高い人でなければ発揮できません。
人品とは高い天分と教養を身につけた人のことで、日本画の窮極は
この気韻生動に帰着するといっても
過言ではないと信じています。芸術家に強烈な気はくがそなわっていなければなりません。
~気はくあっての人格であり、
人格がみがかれての芸術です。
次に、「気韻生動」という言葉を見たのは
中国画の本を読んだときです。
南斉(なんせい)の人物画の名手!
謝赫(しゃかく)の言葉で
画に六法あり、
一に気韻生動と曰い、
二に骨法用筆と日い、
三に応物象形と曰い、
四に随類賦彩と曰い、
五に経営位置と日い、
六に伝移模写と日う。
と中国画では有名らしい
「古画品録」の序文!
『画の六法』の第一に挙げてました。
ここでも「気韻生動」は、
天地の気が人格を通じて現れるので、
これが人格者の有する一種の霊気となり、
そのひびきが紙上に生動するということである。
と書いてあります。
ちなみに第二~第五までは、
技法や構図のことが書いてあり
第六は模写して学べ!
みたいな内容です。
くぅ~、 むっ、難しいねー。
学のない私には何が言いたいのかさっぱり・・・
だいたい「気韻生動」が入っている絵が
あるんかい!(怒)
と思っていたのが、
今から6~7年前だったかな?
今は、なんとなく解った気がします。
それは、
「気韻生動」が入っているであろう?
絵を見たからです。
でも、これは、あくまでも私個人の解釈ですので・・・
ネッ!許して。。
まずは、狩野芳崖先生の
「獅子図」「大鷲」
二作品とも水墨画ですが、もう一筆に魂が宿っている感じで凄いです。
つぎに、橋本雅邦先生の「闘牛」
「乳狼吼月」「寿老」
これも水墨画ですけど余白と筆の緊張感がいい!すごく魂を感じる。
そして、川合玉堂先生の 「二日月」
私のなかでは窮極の風景画!
(語ると長くなるのでやめます。)
どれも、私が大好きで神と崇めている偉大な画家です。
こういうのが、たぶん「気韻生動」なんだなーっと思います。
ちなみに、横山大観先生にも
「気韻生動」が入っている作品があります。
(これは、あくまでも私個人の解釈ですから・・・ネッ!)
それは、あの「生々流転」です。
長さ40メートルの大作を発表したのが
第10回再興院展!
この初日に関東大震災が起きたんですね。
展示場所は上野ですよ!
でも、この40メートルの大作 「生々流転」は無事だったんですね。
奇跡です。
いや、、、やはり「気韻生動」が入っていたんでしょうね。