エリック・ロメール監督は、
小説家から始まって
映画監督になった人です。
なので、
作家性の強い映画になっています。
今回の映画も
「喜劇と格言劇」
というシリーズで
6作品の映画を作りました。
この映画は、その第4作です。
その格言とは
ふたつの妻を持つ者は、心をなくし
二つの家を持つ者は、分別をなくす
20代のルィーズは、すでに同棲していて、
しかも、郊外に住んでいます。
そこから、都心のパリまで時間をかけて通勤しているんです。
だから、なかなか自分の時間が取れない。
それで、パリで仮住まいを借りて、
彼氏に仕事で帰れないと言い訳をして、
そこで寝泊り生活をはじめちゃった。
もう夜の時間制限なし、
パーティーで踊ったり
夜遊びOKの日々
この気持ち、よくわかるわ~。
自分の20代の頃は、渋谷で働いていたから…
仕事も、結構、夜遅くまで働いていたけど、
真夜中に仕事を切り上げて、
朝まで飲んだり、
泊まったりして、
家に帰らない日々だったから。
家賃無駄じゃねぇ
って言われてたな~。
これぞ、都会で活きている感じだね
深夜のカフェで、
眠れず絵を描いているオジサンが
「すべて、満月のせいさ」と言うシーンは
好きだな~。
満月は明るい! 動物も活発に動く
これが、夜も眠らない都会と同じ。
でも、都会にいても、郊外にいても、
寂しさは同じ。
だから、浮気して、
それが本気にかわってしまう。
この映画のファッションやインテリアは、
まさに80年代!
懐かしいね~。
でも、その懐かしさを省いて見ると、、
よくある内容だったね。
主役のパスカル・オジェは、この映画で
ヴェネチア国際映画祭女優賞
を受賞しました。
彼女のクールな表情と
キーの高いアニメチックな声は
ミスマッチで個性的でしたが
それほど光る演技は見えませんでした。
でもね、
彼女は、この映画が公開されてから
2カ月後に心臓発作で亡くなりました。
24歳の若さです。
薬物の過剰摂取によるものとも言われています。
それにね、
彼女の母親はビュル・オジェ
あのルイス・ブニュエル監督の
「ブルジョワジーの秘かな愉しみ」や
ダニエル・シュミット監督の「ラ・パロマ」
マノエル・デ・オリヴェイラ監督の「夜顔」などに出ている
大女優です。
その母親と、ジャック・リヴェット監督の
「北の橋」で共演しましたね。
この映画の3年前です。
キャッチコピー
私を愛しすぎないで
24才の若さで急逝した女優
パスカル・オジェが見せる
新しい愛のかたち
インテリア・デザイナーの美女ルイーズは、
仕事一筋の男性レミとパリ郊外で同棲中。
パーティー好きなルイーズと
生真面目なレミは相容れない性格だが、
縛られることを嫌うルイーズの自由気ままに対して
レミは寛容に接しようとする。
そんなある日、
美しいゆえ常に誰かと
交際し続けてきたルイーズは、
孤独になりたくて新たに一人部屋を借りることに。
ルイーズは妻帯者の親友オクターブと遊び歩き、
やがて彼から関係を求められる。
《ザ・シネマ》より
Data
1984年 | フランス |
監督 | エリック・ロメール |
出演 | パスカル・オジェ チェッキー・カリョ ファブリス・ルキーニ クリスチャン・ヴァディム |
filmography エリック・ロメール 「喜劇と格言劇」シリーズ 1981年 飛行士の妻 1982年 美しき結婚 1983年 海辺のポーリー 1984年 満月の夜 1986年 緑の光線 1987年 友だちの恋人 |
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