ポルトガル映画の巨匠
マノエル・デ・オリヴェイラ
世界最長老の監督です。
サイレント(無声)映画時代から
映画を撮っています。
「コロンブス永遠の海」(2007年)では
99歳です。
凄いですね~
この映画は
リスボンの階段通りに
住む人々の物語です。
いろんな住人が出てきます。
通り12番地の老女、
その孫息子、
子だくさんの母親
居酒屋の亭主、
豆売り女
ギターで『アベ・マリア』を奏でる教授
そしてチンピラなど、
貧しい下町生活が
ありのまま出ています。
住人たちの話題に
盲目の老人が持っている
"恵みの箱"が出てきました。
この"恵みの箱"に
通行人からの金が集まり、
老人一家が
やたら羽振りがよくなったそうです。
これが思いがけない波乱を
起こします。
実はオリヴェイラ監督は
演劇界でも巨匠なんですね。
作家プリスタ・モンティロは
演劇界のオリヴェイラに
期待してこの原作
(戯曲『A Caixa』)を書きました。
ところがオリヴェイラ監督は、
演劇より映画にしたほうが
よいと考え脚本を書いて映画化しました。
普通、
演劇ものを映画化すると、
必ず舞台や書き割りが出てきます。
ところが
この映画では全てオープンロケです。
昼は
住人たちの生々しい生活感を見せて
夜になると
階段通りにライトがあたり
バレリーナが登場して
幻想的なショータイム
全然違和感がない展開が
素晴らしい
映画と舞台の見事な融合、
85歳でこのセンス
素晴らしい群像劇を作りましたね。
catch copy
アベ・マリアの調べが美しい
階段通りの街リスボンで
貧しさを楽しく生きる人々が
<恵みの箱>を天から授かった。
聖なる悲劇を前にして
人々の欲望が燃え上がる
世界の巨匠オリヴェイラが
「アブラハム渓谷」に続いて放つ
現代世界を描いた悲喜劇寓話の傑作!
階段通りの町、リスボン。
夜明けの薄明の中、夜警が家路に着くと、
12番街では老女が起き出し、路上で立ったまま放尿する。
朝のラッシュアワー、
階段通りを通勤客の洪水が通り過ぎるが、
それもやがて一段落。
階段通りの貧民街の人々の最近の関心事は、
通りの中ほどに住む盲目の老人が、
「恵みの箱」をどこからか授かり、
通行人からお恵みの金を集めて少々羽振りが良くなった事だ。
老人の娘は洗濯女で、娘婿は遊び人。
階段通りの人々の老人に対する羨望は強い。
老人の箱は誰かに盗まれていたが、
Data
1994年 | ポルトガル / フランス |
脚本・監督 | マノエル・デ・オリヴェイラ |
原作 | プリスタ・モンテイロ |
出演 | ルイス・ミゲル・シントラ ベアトリス・バダルダ |
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