7月1日は
イギリス植民地だった香港が
中華人民共和国に返還された日です。
今年(2022年)で25年目になります。
一国二制度ということで
中国の社会主義と
資本主義経済&議会制民主主義が
併存していましたが、
2年前、
香港国家安全維持法のもと、
香港市民が抑圧され
言論の自由がなくなり
ますます社会主義になっていきましたね。
そんな、香港
だからこそ、
今、改めて見るべき映画として
この映画
『Mr.Boo!ミスター・ブー』
を紹介します。
原題は「半斤八両」
この原題がまさにテーマ
映画のテーマソングも
タイトルが「半斤八両」になっています。
そのテーマソングの歌詞は
こう言っています。
俺たちは貧しい労働者
働きづめでクタクタだ
給料はスズメの涙(月末までもたない)
本当にツラいよ
上司は、いつも
犬のように吠えて威張っている
昇給など
望めたものじゃない
(半斤八両)死ぬほど働くだけだよ
(半斤八両)文句ひとつ こぼさずに
(半斤八両)強盗でもしたい気分さ
努力すれば成果があるなんて
こんな不景気じゃ
そんなの夢物語だ
クソったれ俺たちは貧しい労働者
金のために働く奴隷
あまりに惨めで
心が沈んでしまうよ(半斤八両)この世は生き地獄
(半斤八両)幸せとは縁がない
(半斤八両)生きるだけで大変だ
努力すれば成果があるなんて
こんな不景気じゃ
そんなの夢物語だ
クソったれ俺たちは貧しい労働者
金のために働く奴隷
あまりに惨めで
心が沈んでしまうよ
これは、DVDの字幕スーパーに
でていた歌詞です。
まさに資本主義を物語っていますね。
「半斤八両」とは
1斤が16両で、
その半分、
つまり半斤が8両のこと。
この「半斤八両」を広東語では
五分五分、同等、どっちもどっち
という意味らしく、
それを
資本主義の
資本家と労働者の
立場にひっかけています。
資本主義では、
資本家というのは
能力があって独自で商売
(ビジネス)ができる人で
労働者は
能力がなく、
雇われないと生活ができない人
のことを指します。
このテーマソングに
「半斤八両」の言葉の
意味(理由?)が入っていて
字幕スーパーの翻訳だと
解りずらいのですが、
この部分
努力すれば成果があるなんて
こんな不景気じゃ
そんなの夢物語だ
この部分が
ホントは、
半斤の労働で、
八両を貰おうというのか
こんな不景気の世の中で
どこにそんな
同等の世界があるんだよ
と歌っているんです。
そう、つまり1斤の労働で
やっと8両を頂くって感じかな?
労働者は資本家に
搾取されいるのですから
当然、賃上げなんかは
一般的にはあり得ません
私立探偵のウォン(許冠文)と
助手の2人が最後に手を組むのは
まさに
半斤八両=同等だったね。
このシーンは、何故か
ドイツ映画の名作
「メトロポリス」
のラストを思い浮かびました。
そもそも何故?タイトルがMr.Boo!
この映画は、驚いたことに
『ブルース・リー 死亡遊戯』
の配給権のオマケについてきた作品だったそうです。
東宝東和は、お蔵入りにしていましたが、
映画の閑散期である2月に穴埋めとして
公開したところヒットしました。
私も、
予告編(TV-CM)を
今でも覚えています。
あの
キッチンバトル
のシーンでしたね。
でも、なぜタイトル(邦題)が
『Mr.Boo!ミスター・ブー』
なんでしょうか?
配給の東宝東和は、
許冠文が
当時の高木ブーに似ていたことと、
タイトルに濁点を入れことで
映画はヒットする
という2つの理由で、
タイトルが
『Mr.Boo!ミスター・ブー』
になったそうです。
つまり、映画の内容とは
まるっきり関係ないタイトルだった
そして、
チラシのキャチコピーはこうです。
キャッチコピー
なんでも笑ってごまかそうとする…
お前は誰だ!どこらか来た!
グッバイ・アメリカン!
5分間に3回の大爆笑に
自由の女神もズッコケた!
〈007〉を打ちのめし
〈ジョーズ)さえも喰いちぎった
と~んでもない映画
いま、世界の若者たちの合言葉は
ミスター・ブー!
さらに
「Mr.Booと呼ばれるための10条」
まであります。
その内容は
- 永遠に二枚目でない男であること。
- ケチ、しかし貯金はゼロの男であること。
- 吉野屋の牛丼と、養老の滝の牛丼、どちらがうまいか毎日食べ比べてみるような男であること。
- カラオケで「うまい!プロになれ」と言われて、本当にレコード会社に売り込みに行くような男であること。
- 時々、ネクタイのしめ方を忘れて鏡の前で1時間、真剣に悩むような男であること。
- 「人生は賭けだ」とエラそうなことをいいながらパチンコをやり、いつも負けて後悔するような男であること。
- 女性にはまったく関心がないような顔をして、毎日パンツを変え、エチケット・ライオンと、ワキガを気にしてエイト・フォーを欠かさず使用するような男であること。
- もちろん女を愛し、男にも同等の愛情行為を向けられるような男であること。
- 映画は東和しか見ないといいながら、何んとかタダで映画を見ようと努力するような男であること。
- 決して、人をニクまないイイ性格の男であること。
もう、完全に東宝東和の
オリジナルキャラにしてますね。
でも、このタイトルが良かった
これ以後、許冠文の映画は
ほとんど
《ミスター・ブー》シリーズ
になっちゃったからね。
香港映画の転換期になった作品
当時の日本は
香港映画といえば
カンフー映画でしたから、
配給の東宝東和は、
こんな、
コメディー映画は
うけないと思っていたのでしょう。
ところが、ヒットしましたね。
さらに、
テレビ放送の吹き替えには
許冠文に広川太一郎
許冠傑にビートたけし
許冠英にビートきよし
当時人気のツービートを使いました。
とくに、
広川太一郎のアドリブは最高でしたね。
このテレビ放送によって
日本中に
香港映画はカンフーだけでない
他にも面白い映画があることを知りましたね。
私もテレビを見て
この映画を知った一人です。
この映画がヒットしたことで
香港映画では、
60年代末に一時期消えてた
広東語(香港語)が復活しました。
以後、
香港映画では
広東語映画が主流になっていきましたね。
また、
カンフーにコメディーを加えた
成龍も出てきました。
さらに、
この映画のスタッフを見て
( ゚Д゚)ビックリ
武術指導に
洪金寶
応援監督には、
呉字森がいました。
やはり、
名作には、優れたスタッフが
揃っているもんなんですねー。
ウォン(マイケル・ホイ)は香港の私立探偵。
助手チョンボ(リッキー・ホイ)と
秘書ジャッキー(テレサ・チュウ)ととも
に探偵事務所を営んでいるが、
持ち込まれるのは浮気や万引きなどの
ケチな事件ばかり。
そんな
ウォンの零細事務所へ、
カンフーの得意なお調子者キット
(サミュエル・ホイ)が求職に訪れる。
一度は断ったウォンだったが、
直後に起きたスリ騒ぎでの鮮やかな対応を見て渋々雇い入れる。
《Wikipedia》より
Data
1976年 | イギリス領香港 |
監督:脚本 | 許冠文 |
音楽 | 許冠傑 |
出演 | 許冠文 許冠傑 許冠英 |
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